BOSS

Be-papa's Bigot papa's のオーナーであり私達スタッフの偉大な師匠である
田口浩之が
8月21日旅行先での不慮の事故により急逝致しました。

あまりに早過ぎる別れで
まだ冗談のような嘘のような
現実として受け入れるにはあまりに突然な出来事です。

思ったら速行動、有言実行のものすごいパワーの持ち主で
ヴィダルサスーンのインストラクターという立場にまで上りつめ
いつだって私達のずっと先を走っていました。

そんな立場にありながらもけしておごることなく
気さくで話をちゃんと聞いてくれる懐の広さも持ち合わせており
趣味も多くバンドもやっていて交友関係もとても幅が広く愛されるキャラクターであったと思います。

私自身、田口との出会いはもう20年近く前になります。
当時田口の知り合いの店に勤めていた私はよく講習等でお世話になっていました。
とにかく田口はパワフルで憧れの存在でありました。
その後私は修行中に挫折してしまいこの世界から一度逃げ出して
その経歴上雇ってもらうことなど到底無理な事だと思っていました。
ですが色々な縁からこんな出来損ないの私を拾ってくれるような形で入店させてもらい
そこから私の美容師人生が再スタートしました。

人間的に幼く、本当に不器用な私は当然のごとく壁にぶつかりまくり
その度に諦めず指導していただきました。
今の私があるのはあの時見捨てずにいてくれたからだと思います。


北鎌倉と大船に別れてから会う回数も減り、最後にしっかりコミュニケーションをとったのは私の作品撮影の時でした。
作品撮りというのを久しくしていなかったので撮影日が決まってからというもの色々迷い世の情報に流されそうになりました。

でも田口は「好きなものが決まってるなら絶対それでいったほうがいい」
と背中を押してくれました。

田口は「凛として華がある」そんな女性像が好きでした。
私もカッコイイけど女性らしいのが好きで割と好きな物が近かったかもしれません。

同じ方向性で撮影は順調に…とおもいきや、そうじゃなくて〜その角度じゃなくて〜とか
偉大な存在である事も忘れ私はあーだこーだ言って
最終的には子供のケンカみたいになっていました。
でもとても楽しくて良い撮影でした。

写真を撮るのはそう簡単なことではありません。
失って初めてそんな撮影環境はない事を思い知らされています。


田口はいつも突っ走っているような人でした。
こちらが心配になる位。
多分勢いが過ぎてしまったのかもしれません。

北鎌倉の自分が求めていた環境でBigotをオープンさせ、田口はとても楽しそうでした。
お客様にゆったり過ごしてもらいたいという心と共に
田口自身も癒される空間であったと思います。
大好きな庭で仲間たちを招いてバーベキューもしたり
とにかくワクワクする日々だったはずです。

やっと軌道に乗りかけた矢先の出来事で
本人が一番驚きショックを受けているだろうと思います。

「あーやっちまったー!!!」
ってあたまを抱えている姿が目に浮かびます。

もー何やってるんですか田口さん!!
かける言葉はそれしか浮かんできません。

まだまだ野望はありますよね?
撮影プランだっていっぱい浮かんでいるはず。
スタッフのカットだって気になって仕方なくて後ろウロウロしちゃうかも。

多分心配でしかたないんじゃないだろうか。

ある意味、美容師のお父さんです。
みんな娘息子です。
田口さんからしてみたら
なかなか安心できないヒヨッコ達です。

早く安心して任せてもらえるように頑張らなければなりません。

一日も早く安心して天国にいけるように全力で走らなければなりません。

今までその懐に甘えてきた分覚悟を決めて前を向いて進んでいこうと思います。

報告と言うよりは
自分の思いを書いてしまいましたが

唯一無二の田口浩之という偉大なボス
を突然失い、その代わりになれるわけもなく
伝えてくれた事を最大限実行するしかありません。

スタッフ一同全力で田口の抜けた大きな穴を埋めるために頑張っていきます。

どうぞこれからもBe-papa's Bigot papa's を宜しくお願い致します。


最後になってしまった撮影風景です。
どんなに感謝しても足りません。